熱成形というと日常では聞き慣れない言葉です。
実は、スーパーやコンビニに並んでいる食品容器やブリスターパック、また自動車部品や家電、工業用トレーといった私たちの身近にある数多くのプラスチック製品が熱成形によって生産されています。
食品容器
バスタブ
冷蔵庫ドアライナー・内箱
自動車内装
熱を加えると軟化し、冷やすと再び硬化するというプラスチックの特性を生かし、
- 1.プラスチックのシートを加熱し
- 2.軟化した後に蓋をするように金型の上にかぶせ
- 3.金型内の空気を外部に吸引して真空状態にして
- 4.軟化しているシートを金型にそって変形させ
製品形状に成形させます。
この際、圧縮した空気を用いて金型内の空気を外へ押し出すことにより、複雑な形状の製品を成形することもできます。
これを圧空成形といいます。
また、熱成形で使用される加熱方式は主に輻射加熱、接触加熱、熱風加熱があり、浅野研究所では輻射加熱、接触加熱を主に使用しています。
輻射加熱とは、ヒーターが放射する赤外線でプラスチックシートを発熱させる方法で、食品容器や工業用トレー、家電や自動車など多くの成形品に用いられます。
一方、接触加熱は温調された熱板にプラスチックシートを接触させて加熱します。プラスチックシートを金型と熱板で挟んで固定しながら加熱するため、加熱時に大きく収縮するシートや自動車のメーターパネルのような高精度が求められる印刷物に適しています。